脱炭素経営を学ぶ 現状や具体策紹介 リコージャパンなど、奈良でセミナー

企業関係者ら80人が熱心に
地域、企業での脱炭素に向けた取り組みを考える「脱炭素経営セミナー」(リコージャパン、日本政策投資銀行主催)が5日、奈良市西大寺南町の奈良商工会議所大ホールで開かれた。地域貢献やSDGs(持続可能な開発目標)につながる脱炭素経営を推進、検討する企業関係者ら約80人が参加。脱炭素社会への見識を深めた。
SDGsの観点から国連で温室効果ガス削減、気候変動抑制の数値目標が示され、企業にも環境に配慮した脱炭素経営が求められている。
同セミナーはリコージャパンと日本政策投資銀行が全国の主要都市で開催。脱炭素実現に有用な官民連携をはじめ、金融、設備、ソリューション面の現状と方向性を示し、脱炭素での地域貢献、企業価値向上のための情報を提供している。奈良では初めて開かれた。
セミナーでは県、奈良市が、地球温暖化の現状や県の温室効果ガスの推移、それぞれが展開するゼロカーボン都市実現への具体策や補助金などを紹介。南都銀行は脱炭素経営の内容と実態、メリットのほか、同行の実践例と外部への課題解決策の提供について説明した。
続いて同投資銀行地域調査部の加藤翔課長が国の気候変動対策とともに、県の産業構造と訪日客の傾向を基にサステナブルツーリズムの導入を提案。実現のための方法や成長可能性、関連機関の連携の進め方について、他地域の実例を交えて解説した。
リコー経済社会研究所の大塚哲雄主任研究員は、温暖化による国内外の環境や産業、生態への影響を例示し、大手のみならず中小企業が脱炭素に取り組む重要性、利点を多方面から指摘。リコーグループの脱炭素の実践例と、それを活用した顧客、地域への提案、支援について語った。
このほか会場では、省エネにもなる遮熱シートや二重ガラス、センサーなど、用品、機器の展示もあった。