奈良県宇陀市長選告示、元現新の三つ巴 金剛市政の評価争点
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市議選は8人超過、20人が激戦
任期満了に伴う奈良県宇陀市長選挙は5日告示され、元職の高見省次氏(64)=無所属=、現職の金剛一智氏(67)=無所属=、新人の松下幸治氏(51)=諸派=の3人が立候補を届け出た。
市長選では1期4年の金剛市政の評価が争点となる。人口減少や高齢化が進む市の課題解決に向け、各候補はそれぞれの施策を訴える。
高見氏は「既得権を守るためのゆがんだ行政運営が続き、住民への愛着が感じられない。トップの推進力も弱い」などと現市政を批判。医療・介護体制の強化や地域総合福祉拠点の創設、AI(人工知能)時代を見据えた人材育成などを公約に掲げ、「少子高齢化のピークを迎える市政のかじ取りを行い、住民が安心して暮らせる市にしたい」としている。
金剛氏は、市財政の重症警報からの脱却や100を超える企業・団体との連携強化、全国初の「オーガニックビレッジ宣言」など1期目の実績をアピール。行財政の健全化や中学校までの給食費無償化、公民連携による地域経済の拡大と雇用創出、通院・買い物など地域交通サービスの充実などに取り組むとし、「次世代に誇れる宇陀市」を目指すとしている。
松下氏は、「全国で唯一人口が増える町をつくる」をキャッチフレーズに掲げ、企業誘致や起業促進による雇用創出、市の職員数と年収の削減といった市の行財政改革、市内小中学校の統廃合や土日議会など議会改革にも取り組みたいとしている。「市の財政状況は悪く、人口も減っている。雇用を増やすことが一番大事」と危機感を募らせる。
また、2日に任期満了を迎え、公職選挙法の特例により市長選との同日選となった市議会議員選挙(定数12)には前職10人、元職1人、新人9人が立候補した。政党別では自民党1人、公明党1人、日本維新の会1人、共産党1人、諸派1人、無所属15人。定数を8人上回る激戦が繰り広げられる。
両選挙とも投票は12日午前7時から午後8時まで市内28カ所で行われ、午後9時から同市榛原萩原の市総合体育館で即日開票される。
4日現在の選挙人名簿登録者数は2万4111人(男1万1468人、女1万2643人)。