第11節 ルヴァン杯 ”魅せた”強いメンタル - 奈良クラブ
奈良クラブは第11節の4月27日、YSCC横浜と1―1で引き分けた。今節も先制しながら追い付かれて引き分けとなったが、先制点を挙げた百田のシュートなど、「攻撃面でいくつかの興味深い点があった」とフリアン監督は評価した。
先制ゴールは後半27分、マルクヴィトのピッチ中央を横断するロングボールを岡田優が受け、そのままの勢いで横浜ゴールに迫りシュート。素早く反応したGKに弾かれたが、そこに迷いなく駆け込んできていた百田がこぼれ球をシュートしネットを揺らした。これまでもチャンスの気配がある場面で百田が積極的にゴールにからむ位置へと詰め寄っている姿は常にみられていたが、そのアグレッシブさが結実したような鮮やかなゴールだった。ストライカーとしての本領をみせた百田とともに、今節では守勢に回る場面が多かったが、何度となくファインセーブをみせたGKマルクヴィトや、相手シュートのこぼれ球を自陣ゴールライン直前でかき出した沢田の活躍など、印象的なシーンが多々あった。
「前半はスペースを見つけることに苦労したが、一度、嫁阪選手が裏に抜け出してボールを受けた時に相手のイエローカードを誘発することができた。そういったプレーをきっかけに優位性を持ったスペースを見つけることに成功したが、一方でそのスペースを使ったことでチームが2つに分かれてしまい、切り替えが多く生まれピンチの時間が増えた」とフリアン監督は攻撃面について分析。守備面では「空いているスペースに対してディフェンスがカバーリングを頑張ってくれたことで、ゴールライン上で失点を免れることができた。監督としてはチームのオーガナイズ(隊形)が崩れることは好ましくないが、失点を防いだ彼らの頑張りを評価する」とし、「プレー面では最高の試合ではなく、それが勝利につながらなかったが、メンタル面は強かった。堀内選手もその面で際立っており、プレーの組み立てだけでなく非常にハングリーで競争力があり、ボールを失った時でも相手に渡すことはなかった」と評価した。
4月24日にはYBCルヴァンカップ1stラウンドの2回戦で、J1のサンフレッチェ広島と対戦。0―6で敗れたが、フリアン監督は非常に良い学びになったとしつつ「奈良クラブ、そして県サッカー界にとって1つのマイルストーン(区切りのポイント)となった。この数年、県のサッカーは目覚ましい発展を遂げていると感じており、今後も県サッカー協会や県と協力し、奈良がサッカーの街へと発展していくことを確信している」とコメントした。