早春告げる炎 世界の平安祈り 奈良で若草山焼き
古都奈良に早春を告げる伝統行事「若草山焼き」(若草山焼き行事実行委員会主催)が27日、奈良市の奈良公園・若草山一帯で行われた。山焼きの前に大花火が打ち上げられ、奈良の夜空を彩った。
1900(明治33)年に始まり、現在では、春日大社・興福寺・東大寺の神仏が習合し、先人の鎮魂と慰霊、奈良の防火と世界の人々の平安を祈る行事として行われている。
春日大社境内飛火野で春日の大とんどから御神火をもらい受ける「御神火奉載祭」や、御神火を若草山麓まで運ぶ「聖火行列」、山麓の野上神社で行事の無事を祈願する「野上神社祭典」などが行われた。
午後6時15分から約15分間、約600発の花火が打ち上げられた。同6時30分に約33ヘクタール、周囲3800メートルの若草山の草地で、奈良市消防団員約300人が松明を持ち、法螺(ほら)貝やラッパの合図で一斉に草地に点火した。