4年ぶりにちゅうしんビジネスクラブ新春経営セミナー、会員ら100人が参加
奈良中央信用金庫(奈良県田原本町、高田知彦理事長)の取引先企業で組織する「ちゅうしんビジネスクラブ」(330社)の新春経営セミナーが23日、橿原市久米町のホテル「THE KASHIHARA」であり、会員と同金庫役職員約100人が参加した。
コロナ禍の影響で開催は4年ぶり。冒頭、高田理事長は「県内では観光客やインバウンド(訪日客)が動き出す一方で、物価高騰や賃上げの動きがあり、中小企業経営者にとってかじ取りが難しい年になる。ビジネスクラブを通じて地元の課題解決につながるよう役職員一同、努めたい」とあいさつ。
講演会では、町工場の2代目社長、浜野製作所(東京都墨田区)の浜野慶一代表取締役CEO(最高経営責任者)が「東京・下町・町工場の挑戦!」と題して話した。
同社はプレス加工の金型職人だった浜野氏の父親が創業。2代目の浜野氏は、電気自動車や深海探査艇などの産学官連携や工場資源を生かした地域連携など、「町工場」のイメージを超えたさまざまなプロジェクトに取り組んできた。
2014年に主にベンチャー企業などの新規事業の開発支援拠点「ガレージスミダ」を工場の一角に設けたほか、18年には「ものづくり日本大賞経済産業大臣賞」を受賞。一方で、工場が全焼し、たった1人の従業員と再建に取り組んだ「どん底の時期」があったことなども浜野氏は話した。
近年は大企業からの出向者を受け入れたり宇宙産業にも進出するなど、「(町工場の)事業構造の変革は続く」と結んだ。