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被災地励ます 若者の行動力 - コラム スポーツ ウォッチング

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 元日に発生した能登半島地震。1月8日正午現在で死者161人、安否不明者も100人以上と、惨状に心が痛む。家族を失い、深い悲しみにいる人には、「悲しみの先に、どうか幸いあれ」と願うしかない。

 

 8日に決勝があった全国高校サッカー選手権大会は大地震から一夜明けた2日の3回戦に、被災地石川県の星稜が登場。共同通信によれば、地元からの応援団は会場の千葉県の競技場に駆け付けられなかったが、関東在住の同校OBが駆け付けて盛り立て、対戦相手の市船橋(千葉)のサッカー部後援会がメガホン約350個を他の運動部から調達して、星稜側に貸し出すというスポーツマンシップを発揮。そこに2回戦で近江(滋賀)に敗れた日大藤沢(神奈川)のサッカー部も応援に加わった。

 

 スポーツ紙によると、部員ら約50人が駆け付け、星稜カラーの黄色のポリ袋にマジックで星稜と書き込み、頭から被って応援。試合は1―4で敗れたが、一時は同点ゴールを決めるなど、選手たちは被災地を勇気づけるプレーを見せた。

 

 大災害が起きた時、スポーツどころではないだろう。ただ、そんな被災者を励ますのも、またスポーツの力であり、そして「何とか力になりたい」という思いを込めた行動だろうと思う。ただ、「言うはやすし、行うは難し」だ。

 

 当たり前のように、神奈川から千葉に応援に駆け付ける日大藤沢のサッカー部員。こういう若者がいる限り、希望はある。(井)

 

 

 

2024年1月10日付・奈良新聞に掲載

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