「保育士の処遇改善を」 奈良、和歌山、千葉、埼玉4県共同で国に要望書
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保育人材の不足が社会問題化するなか、山下真奈良県知事と岸本周平和歌山県知事、黒野嘉之千葉県副知事、堀光敦史埼玉県副知事の4人が13日、東京都千代田区の内閣府を訪れ、工藤彰三副大臣に保育士の処遇改善を求める4県共同の要望書を手渡した。奈良県が他の3県に呼びかけて実現した。
4県は、保育士が給与水準の高い隣接の大都市へ流出するという共通の課題を抱えている。保育士給与の原資となる公定価格の地域区分は市町村ごとに設定されており、一部地域では隣接する都府県との間に大きな差が生じている。
要望内容は、「保育士の給与が他業種と比較し適切な水準となるよう長時間に及ぶ保育施設開所の変則的シフト設定など、保育士の勤務実態に合った公定価格を定める」などの4項目。
要望を終えた山下知事は「岸田首相が異次元の子育て支援に力を入れている中で、保育園に安心して預けられる環境を整えることは重要で、制度の原資となる財政的支援を要望した。副大臣からも前向きな発言をもらえた」と手ごたえ。
また、「大都市近郊で共通の悩みがあれば、この形(複数県合同で要望する)も有効な手法だと感じた。今後も声をかけたい」と述べた。