デマンド交通の経路でAI活用 10月から実証実験 天理市と奈良トヨタグループが協定
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天理市と奈良トヨタグループ(菊池攻社長)は10日、移動支援による地域活性化に関する協定を締結した。本協定に基づく事業として、今秋からAI(コンピューターを活用した人工知能)を活用したデマンド交通サービスの実証実験を実施する。県内では初の取り組み。
同市が導入を検討するサービスは、トヨタグループの自動車部品メーカーのアイシン(愛知県、吉田守孝社長)が開発・運営する乗り合い型の送迎サービス「チョイソコ」。会員登録した利用者から乗車の依頼を予約受付センターが受けAIが最適な経路を計算、複数の利用者が乗り合わせそれぞれの目的地まで送迎する。
市と奈良トヨタグループ、運行を担当する近鉄タクシー、学識経験者らを交えてデマンド交通実証分科会を形成。10月から実証実験を重ね検証を行った後、来年1月から運行開始に向けた準備を進めていく。
菊池攻社長は「高齢者の方にも最適な公共交通サービスを提供することで、地域社会への貢献と課題解決に取り組みたい」と話した。 並河健市長は「現状の公共交通サービスでは、運行スケジュールや地域によっては日常生活をカバーできていない部分も多い。よりきめ細かなサービスが求められる」と語った。