音羽山観音寺 後藤住職の花だより - お寺の諸事情編 2023年初春
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「今回の電気代3万9000円だったのよ。上がっているよね」と薪ストーブの前で話す住職。暖房は石油ストーブか薪ストーブ。さて何に一番電気を使うのか皆さんわかりますか?
何に電気代使ったか 日常の中で見つけよう
護摩焚きを行う不動堂は平成4年に完成しました。護摩焚きは平成2年から同寺で始めましたが、丸2年は本堂で護摩焚きを行っていました。
「本堂の天井がすすだらけになるでしょう。だから不動堂を建てたのよ」
不動堂は滝行も行えるように川のそばに建てました。
「でも誰も滝行をしないから、更衣室が掃除道具入れになってるわ」と笑います。
不動堂の電気は本堂からモーター室を経由して送っていたそうですが漏電のため、今は電気が通っていません。そのため、ここでは電気を使わないのです。
さてモーター室というのはイチョウの木のそばにあります。モーター室の中には、他にも水道の水を飲料にするための除鉄機と滅菌機があります。どちらも電気を使います。さらにトイレの近くに水を送るモーターのことは、先日紹介したばかり。合計2つのモーターは24時間稼働しています。
物置がモーター室(2022年秋撮影)
もう一つのモーター。24時間稼働(2023年2月撮影)
冷蔵庫は人力で運ぶ 省エネ製品を寄贈され
台所に冷蔵庫が2つ。扉を開けるたびに、容器がたくさん入っているのが見えました。冷凍庫の方がよさそうです。
「冷凍庫は10年使った古いのを寄贈してもらったことがあるのよ。でも水が漏れて大変だったこともあるの」
もう冷凍庫は要らないのでしょうか。
「手前の冷蔵庫は省エネ仕様なの。『テレビ買ってあげるわ』って言ってくれた信者さんがいたの。その人に『テレビはいいから冷蔵庫が欲しいわ』と言ったら買ってくれたのよ」
冷蔵庫は大阪から軽トラックで参道の下まで運ばれてきました。後ろにキャスターが付いていて平坦なら運びやすいのですが、ここは山道。支援者みんなの協力で寺まで運び入れたそうです。
「これが一番省エネで一番大きい冷蔵庫になったわ」
省エネと言われますが、これで観音寺の冷蔵庫は合計5つになったそうです。
閉門時、記者を見送ってくれた。住職が「ワンッ」と犬のまね。思わず振り返る
音羽山観音寺
山の中にある尼寺。桜井市南音羽
JR・近鉄桜井駅下車、桜井市コミュニティバス談山神社行、下居下車、約2km。火曜日閉門。
17日の御縁日が火曜日の時は開門、翌日閉門