音羽山観音寺 後藤住職の花だより - イチョウの木と住職編 2022年初冬
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初冬。すっかりイチョウの葉が落ちて、あたり一面黄色いじゅうたんのようになっていました。「県の天然記念物お葉つき銀杏」の希少なギンナンは、同寺のある一部のお守りにも使われています。
あたり一面黄色く染まる
下を向いてキョロキョロ 上を見上げて様子を見る
「『県の天然記念物お葉つき銀杏』に、やっと県の予算が付いたの」と嬉しそうな住職。樹齢600年のイチョウの木は枝が折れたことがあったり、手入れができないくらい根元が痛んでいます。それを修復するための補助金が出るそうです。
また今年は不作のため、お葉つきイチョウも不作。住職は葉が落ちたあたりを見ていました。
「この間、人に踏み荒らされてないところに2つほどお葉つきイチョウが見つかったの。もっと落ちてないかなあと思って」
お葉つきイチョウとは、葉の部分に実がなる状態のことを差します。
「この葉はお葉つきイチョウになる枝に付いてたと思う。ちょっと他の葉と違うでしょう」
葉脈の一部が厚く、変形した葉でした。
葉脈が太い葉
「お葉つきイチョウになる枝があって、一枝全部お葉つきイチョウになるのよ。だいたいこのあたりが多いのだけど」と灯ろうあたりを探します。
これがお葉つきイチョウ。ギンナンに養分がいくのか葉は小さい
残念ながら今日はみつかりませんでした。住職が今度は上を見上げます。
「イチョウの木にある穴にモミジの種が落ちてね。そこからモミジが育っちゃったの」
そこはイチョウの木の一番高いところ。修復の際に消えてしまうのでしょうか。それにしてもイチョウに根を降ろすとは自然は実にたくましいものだと思いました。
イチョウの木にモミジが育つ
音羽山観音寺
山の中にある尼寺。桜井市南音羽
JR・近鉄桜井駅下車、桜井市コミュニティバス談山神社行、下居下車、約2km。火曜日閉門。
17日の御縁日が火曜日の時は開門、翌日閉門