教育

鼓阪小の存続求め準備会 「地域団体と連携期待」

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記者会見する準備会のメンバーら=13日、奈良市役所

 2026年度をめどに予定される奈良市立鼓阪小学校(同市雑司町)の統廃合計画に反対し、存続を求める地元の住民らが、11月13日の「150年の歴史と伝統に輝く鼓阪小学校の存続を求める会」設立に向けた準備会を結成。13日、準備会メンバーが市教育委員会を訪れ、市に申し入れ書を提出し、意見交換した。準備会の河合淳子会長(63)は「市教委は鼓阪小と隣接する佐保小との合併で児童数が適正規模になる話ばかりで平行線だった。今後地域の各種団体と連携し、反対運動を広げていきたい」と話した。

 

 準備会は地域の有志ら約20人で結成。準備会によると、鼓阪小の統廃合問題は今年7月から市教委がPTAや自治会の役員らに説明を始めているが、まだ地元には十分伝わっておらず、運動はこれからという。一方で、事態を知った人からは「反対署名などするのであれば協力する」と申し出てくれる人もいるといい、広がりを期待しているという。

 

 同市東包永町の自治会長を務める田村勝さん(80)も「佐保小との統合で、地域によっては通学路が3キロ以上になる児童もいる。通学路に当たる道路は狭く、車量も多いことから心配だ。通学に使うバス便もなく、小さい子どもがどうやって毎日通うのか、市教委も真剣に考えてもらいたい」と懸念。他の会員らも「子どもたちはランドセルに教材を詰め、最近は水筒も持参している。通学の問題は深刻だ」と話す。

 

 同日、準備会が市教委に提出した申し入れ書は、今回の統廃合は通学の距離や時間・安全面で負担が大きく、「子どもたちのため」の視点で見ても問題▽鼓阪小は市の防災倉庫があり、避難場所になっている▽鼓阪小は地域コミュニティの拠点になっている―など6項目の問題点を指摘し、「このような重大な問題を請求に進めるのは疑問」として現計画の凍結と再検討を求める内容。

 

 河合会長は「地区自治連合会など地域のさまざまな団体と連携し、小学校の存続を求めていきたい」と話す。

 

 鼓阪小は東大寺の旧境内にあり、市内3番目に古い伝統校。2024年に創立150周年を迎える。

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