あの日、国会中継中に地震速報が流れ、ま…
あの日、国会中継中に地震速報が流れ、まもなく議場内が揺れ、しばらくすると関西の奈良の地も揺れ出した。東日本大震災だ。
30年前の阪神淡路大震災を知っていたから、震源地が東北なのに奈良まで揺れる地震とはと、テレビが報じる画面にくぎ付けとなり、やがて津波の被害を目にした。
映し出される光景を見ることしかできないもどかしさを、誰もが感じたことだろう。営々と築き上げてきたものを、一瞬にして失う場面に目を背けた。
残された人々は絶望的な思いだったろうが、そこからまた歩み続け、14年という歳月を重ねてきた。復興とまでは言えないにしても、立ち直った姿を見せてくれた。
それだけに被災地でもある岩手県大船渡市で発生した山火事には心が痛む。2週間近くも燃え続け、ようやく降った雨で、何とか鎮火し、避難していた人も家に帰れるという。
奈良でも10日、川上村で山火事が発生し消火活動が続いている。一人ひとりの心がけと関係機関の防災対応をもう一度心したい。まもなく終わるお水取りだが、素晴らしい春を迎えたい。(治)