国原譜

大型連休で、若い旅人の姿も多数見かける…

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 大型連休で、若い旅人の姿も多数見かける。のちのち心に残るどんな出会い、体験をするのかと思うと顔がほころぶ。

 

 若い頃はまとまった休みがあると、よく鉄道旅をした。お金はなかったが、夜行急行の座席車と周遊券が旅を豊かにしてくれた。

 

 座席間の通路に新聞紙を敷いて座り、同好の士と語り合ったのも懐かしい。国鉄の分割民営化後、二つの旅の支えは徐々に姿を消した。

 

 夜行列車の意義と変遷、奥深さを語る松本典久氏の「夜行列車盛衰史」(平凡社新書)からは、資金の限られた若者にも有用な夜間の列車が種々あったのが分かる。時間や運賃が節約できる代替手段が増える中、かつてを求めるのは夢物語なのだろうか。

 

 そんなことを考えたのは、近畿日本鉄道が小学生を対象に、こどもの日限定で全線で使えるフリーきっぷを100円で販売しているからだ。旅での体験を通して子どもの成長を後押しする「旅育」キャンペーンの第一弾らしい。

 

 何が得られるかは本人次第だが、選択肢は多い方がいい。臨時でもいい、若者の旅する気持ちを高める鉄道企画の登場を望む。(智)

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