きょう1日は、WHO(世界保健機関)制…
きょう1日は、WHO(世界保健機関)制定の世界エイズデー。HIV(エイズウイルス)やエイズを正しく理解し、まん延防止と患者、感染者への差別、偏見の解消を目的にする。
過去の疾病と捉える人もいるだろうが、減少傾向ながら感染者、患者は日本でもゼロではない。厚生労働省エイズ動向委員会によると、2022年の国内新規報告数はHIV感染者632件、エイズ患者252件だった。
県でもしかり。22年の人口10万人あたりのHIV感染者、エイズ患者の新規報告合計件数は全国9番目だった。
エイズの正体がつかめず、効果的な治療も十分でない頃には感染者、患者を必要以上に恐れ、激しい差別、偏見があったのを自省とともに思い出す。今もなくなっていないが、治療法の進歩、知識拡大が歯止めになっている。
新型コロナの感染拡大初期も同様だった。正しく恐れるには、疾病への確かな知識が不可欠だ。
病の周囲には個人の行動が影響するさまざまな立場の人がいる。個人的にはエイズデーを、今一度多様な疾病をきちんと把握し、身近な予防策を見直す日にしたい。(智)