国原譜

最近まで実家の裏に伸び放題の竹やぶがあ…

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 最近まで実家の裏に伸び放題の竹やぶがあり、この時期になると、どこからともなく人が現れ、朝早くからタケノコを掘っていた。どこかに売るのか配るのか、結構な量の収穫だった。

 

 むいた皮を散らかしたり、ごみを放置する不心得者もおり、あまりよい気分ではなかった。春の味覚の収穫も、マナーを守って楽しみたい。

 

 ならば自分がと竹やぶに入るが、上手に掘るのはなかなか難しく、途中で折れたり、別の竹の根にぶつかって断念したり。

 

 驚くのは竹の成長の早さで、翌日はもちろん、朝と夕方でも随分違う。植物は細胞分裂を繰り返す成長点が根や茎の先にあるが、竹は節ごとにあるため伸びるのが早いのだという。

 

 5日の本紙は収穫されたばかりのタケノコの写真が1面を飾った。今年は3月に気温が上がり、雨も適度に降って豊作なのだとか。

 

 サクラが終われば新緑の季節がやってくる。湧き出すような緑の生命力は竹に負けない。命の営みが野に満ちあふれる季節。鳥のさえずりも優しく届く。胸を広げて野原を歩き、春風が運んでくれる息吹を感じたい。(増)

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