経済

地域との共創~日本公庫の取り組み(2)

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秋にオープンする農場内の飲食スペース=奈良市杣ノ川町

農場からにぎわい創出 農業の6次産業化支援

 

 そまのかわファームは、大和高原の西端に位置する奈良市杣ノ川町の自社農場で約2万羽の鶏を育てて鶏卵生産を行い、県内3カ所で直売所を運営している。

 

 同ファームは、先代の野村隆一郎氏が1980(昭和55)年に奈良県香芝市で創業。その後、93年に農場を現地へ移転し、2019年に現在の社長である息子の佳隆氏へ事業承継するタイミングで法人化した。農場では鶏の健康を第一に考えた飼育管理を行うほか、「ふれあい動物コーナー」を設けるなど多くの人に直売所を訪れてもらえるよう工夫している。

 

 日本公庫奈良支店と同社との付き合いは20年に及ぶ。同支店はこれまで同社に対し、鶏舎設備の更新や飼料高騰時の運転資金などへ融資してきた。今回は農場内の飲食スペース開設に融資する。

 

 今回の事業は野村社長の発案で、2年前から農場で年1回開催している「たまごフェスティバル」がきっかけ。野村社長は元ミュージシャンで、その仲間とのライブ演奏やたまごかけご飯食べ放題というイベントが人気を集め、奈良市中心部から車で約45分という中山間地の環境にありながら、昨年は3日間で1500人もの来場者があった。

 

 それに手応えを感じた野村社長は、「この農場をさらに人が集う、地域のにぎわいを創出する憩いの場にしたい」と思いを強くする。秋にオープンする農場内の飲食スペースでは、自慢の看板メニュー「たまごかけご飯」が楽しめる。

 

 同支店は「これからも中山間地に多く存在する農林業者の声に耳を傾け、夢を応援し、ともに地域を盛り上げる取り組みを続けていきたい」と語る。 

 

=つづく=

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