2期ぶり「下降」超 奈良県内企業7〜9月期景気予測
全産業BSI 人件費など上昇で 先行きは「上昇」超
奈良財務事務所(前田泰之所長)が20日までに発表した7〜9月期の奈良県内法人企業景気予測調査は、全産業の景況判断BSIがマイナス3・1と、2期ぶりに「下降」超に転じた。原材料価格や人件費などの上昇による収益圧迫や、物価高騰による消費者マインドの低下などが要因という。
先行きについては、10〜12月期は16・3と、再び「上昇」超に転じる見通し。販売価格への価格転嫁による収益改善が見込まれることや宴会需要の回復が見込まれることなどが要因。来年1〜3月期は0・0と、「上昇」と「下降」が均衡する見通しとなっている。
産業別では、製造業がマイナス9・5と、2期ぶりの「下降」超。非製造業は1・8と、「上昇」超を維持するもプラス幅が縮小した。
規模別では、大企業(資本金10億円以上)がマイナス10・0、中堅企業(同1億円以上10億円未満)が0・0、中小企業(同1千万円以上1億円未満)がマイナス3・0と、大企業と中小企業が「下降」超となり、中堅企業は「上昇」と「下降」が均衡した。
全産業の従業員数判断BSIは43・9と、10期連続の「不足気味」超。製造業では食料品や生産用機械などが「不足気味」超となり、非製造業では宿泊・飲食サービスや建設などで「不足気味」超となっている。規模別でも、いずれも「不足気味」超となった。
2023年度の売上高は全産業で2・3%の増収、経常利益も1・0%の増益の見込み。設備投資は全産業で11・1%増と、前年度を上回る見込みとなっている。
調査は8月に資本金1千万円以上の県内企業105社を対象に実施。98社から回答(回収率93・3%)を得た。
BSIは、前期と比べ「上昇」と回答した企業の割合から「下降」と回答した企業の割合を引いて算出。上昇が多い場合はプラス、下降が多い場合はマイナスとなる。調査結果は四半期ごとに公表している。