こむら返りや腰痛を改善 佐藤薬品工業が5月30日に発売
奈良県漢方のメッカ推進プロジェクト
奈良県漢方のメッカ推進プロジェクトに参画する佐藤薬品工業(橿原市、佐藤雅大代表取締役社長)は29日、自社栽培したヤマトシャクヤクを一部使用した「ツラネルゼリー」(第2類医薬品)を、きょう30日に発売すると発表した。こむら返りや腰痛を改善する「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」を、服用しやすいゼリーにした漢方製剤。同プロジェクトに連携して生薬栽培から製造、販売まで行う6次産業化で誕生した初めての医薬品だ。
同プロジェクトは、奈良時代にさかのぼる漢方の歴史を持ち、配置薬など地場産業が発展してきた県の特徴を生かし、県内の産業活性化を目指す取り組み。
佐藤薬品工業は2014年に同プロジェクトに加わるとともに、耕作放棄地の対策、地域の雇用創出も兼ねて、自社周辺の農地を借りてシャクヤクの試験栽培を開始。試行錯誤を経て5、6年で医薬品として利用できる品質の確保、安定収穫にこぎつけた。
現在は農地約1万7000平方メートルでシャクヤクのほかにもトウキ、ショウガを栽培、健康食品も含め製品化を進めている。
ツラネルゼリーは、こむら返りなどの痛みを和らげて「足がつらず、よく寝れる」ようにとの思いを込めてネーミング。配合されたシャクヤクやカンゾウが筋肉の急激なけいれんの原因とされるミネラルバランスの悪化を整える。ゼリータイプのため水なしですぐ服用でき、5分ほどで効果が期待できるという。
対象は15歳以上で1回1包(12グラム)。4包入り1000円(税別)。購入は同社オンラインサイト(https://sato-yakuhin.shop/)。
県庁内で行われた同製品の発表で、同社の結城保常務取締役は「国産生薬を求めるニーズに応えられるようになれば、社にとっても県にとっても強みになる。製品化に十分な量を安定的に収穫できる栽培技術の確立を目指し、今後も取り組みを進めたい」と意欲を話した。