薪御能 格調高く圧巻舞台 南大門の儀は雨天で屋内に
初夏の大和路を代表する伝統行事の一つ「薪御能(たきぎおのう)」が19日、奈良市内であった。
午後の「南大門の儀」は雨天のため、興福寺南大門跡からなら100年会館に会場を変更して執り行われた。
南大門の儀では、万葉集に詠まれた大和三山の恋争いを題材にした宝生流能「三山(みつやま)」を厳かに舞った。大蔵流狂言「茶壺(つぼ)」や金剛流能「猩々(しょうじょう)」も演じられた。
これに先立ち午前には、春日大社舞殿で「咒師走(しゅしはしり)の儀」があり、金春流能「翁(おきな)」を奉納。「能にして能にあらず」といわれる格式の高い演目に観客は見入った。
きょう20日も午前11時から春日大社若宮で「御社上(みやしろあがり)の儀」、午後5時半から興福寺南大門跡で南大門の儀がある(雨天の場合は100年会館で)。当日協賛席は5500円。
薪御能は869(貞観11)年、興福寺修二会で奉納された猿楽が始まりで、野外能の起源とされる。