古代の仮面舞踊劇、児童ら面を着け体験 明日香小学校で伎楽の出前講義
古代の仮面舞踊劇、伎楽(ぎがく)の再現に取り組む奈良県明日香村は18日、同村橘の村立明日香小学校で、伎楽を体験する出前講義を行った。
5、6年生の部には85人が参加。座学や模擬体験を通じて伎楽について学んだ。
612(推古20)年、朝鮮半島・百済から飛鳥に伝わったとされる伎楽は、聖徳太子が少年らに伝承したとの記録が残る。同村は昨年度、伎楽の再現プロジェクトをスタート。今回、地元の児童たちの関心を高めるための体験プログラムを実施した。
講師を務めた天理大学雅楽部の佐藤浩司総監督は、伎楽の歴史のほか、「治道(ちどう)」「呉公(ごこう)」「迦楼羅(かるら)」といった登場人物の役割や面の特徴、演奏する楽器の種類などを紹介。映像で劇の進行内容などについても解説した。
また、児童は笛や鼓などの楽器を鳴らしたり、実際の劇で使われる面や紙でできた登場人物の面を頭に着けて会場内を練り歩くなどして伎楽に親しんだ。
同校6年生の福井彩乃さん(12)は「最初は意味が分からなかったが、楽器に触れたり面を着けてみて伎楽について楽しく学べた」と話した。
同村は来年2月にあるワークショップでの発表に向け、今回の講義などで児童らから希望者を募集。今後、伎楽の所作などを練習していくという。