アセビ愛らしく きょう21日春分
きょう21日は二十四節気の一つ、春分。昼と夜の長さがほぼ同じになり、この日を境に昼の時間が長くなる。春の彼岸の中日にあたり、「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉があるように、寒さが和らぎ、過ごしやすい季節を迎える。各地でサクラの開花が聞かれるのもこの頃からだ。
ほかにも春、見ごろを迎える花が次々と咲き始める時期でもある。奈良公園(奈良市)のあちこちでアセビが咲き出した。あまり目立たないが、壺形の小さな白い花が、枝先から多数垂れ下がるように咲き、可れんだ。
「万葉集」にアセビを題材にした歌が10首あり、古くから親しまれていたことがうかがえる。ただ、枝葉に有毒成分が含まれ、草食動物は食べることを避ける。漢字で「馬(が)酔(う)木」と記す。シカもこの木を食べないようで、奈良公園で多く見られるのかも。