阪神・淡路大震災から27年が経過した。…
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阪神・淡路大震災から27年が経過した。兵庫県の実家で被災した身としては、それほど遠い出来事でもない。
当時を振り返ると、最も役立った情報源はラジオだった。被害や道路、公共交通の状況、行政側の動きなどが知れ、その後の行動の指針となった。
携帯端末の普及していない時代、移動しながら聴けるのも助かった。現在は災害や事故の発生時にSNS(会員制交流サイト)でも情報がやりとりされるが、信頼性の高さではラジオ放送に及ばないだろう。
一般社団法人「奈良県中部で地域FMを作る会」は災害時に正確な情報提供も行う、県内での新たなコミュニティFMの開局を目指している。橿原、桜井、天理各市や磯城郡などが想定エリアとなる。
インターネットでも聴取可能にしたい意向で、携帯端末で聴ければ利便性はより高まる。防災、減災につながる存在となるだけに開局が待たれる。
震災で荒廃したわが街の姿を見続けていると、きれいな歌が聴きたくなった。スピーカーから流れ出てきた美空ひばりさんの「愛燦燦」に心癒された。ラジオにはそんな力もある。(智)