フリアン監督解任 新たな扉へ敗戦乗り越え J3への道を共に歩んだ名将、生き続けるパッション - 奈良クラブ

奈良クラブは、フリアン・マリン・バサロ監督を解任した。後任は、京都サンガFC監督、清水エスパルスのプレイヤーデベロップメントコーチの中田一三氏。奈良クラブが導入しているエコノメソッドにも造詣が深く、フリアン監督の築いたチームの基盤は新体制となっても引き継がれると思われる。
フリアン監督は2021年に就任し、翌22年に奈良クラブをJFLの頂点に導き、県初のJリーグチームの誕生に大きく貢献した。さらにJ初年度の昨季はリーグ5位と躍進した。しかし今季は第26節までを終え5勝11敗10分けの現在20チーム中18位と低迷。その責任を取る形でチームを去ることとなった。
フリアン監督は「皆さんと共にこの輝かしい数年間を過ごすことができたことに心から感謝の気持ちでいっぱいですし、生涯忘れる事はないでしょう。私は責任を感じており、一歩身を引かなければならないことは理解しています。しかし、私はこれからも奈良クラブのファンであり、チームが目標を達成できるよう応援していきます」とコメントした。スペインから吹き込んだ風は奈良クラブを大きく飛躍させ、力強く育み、現在のチームを形作った。今は、県サッカー界に新たな扉を開いた名将との別れを惜しみつつ、そのパッションを継承した奈良クラブの今後の活躍を見守りたい。
鍵握る「守備」
第26節、「クラブの歴史の中でも大差での敗戦」とフリアン監督が称したように、FC今治に0―6と大差での敗北を喫した。今治の果敢なプレスなどパスワークを積極的に切り崩しにかかるようなプレーに、奈良クラブは冷静に対応しつつもペースを乱され受けに回る時間が増えた。その中でも要所で攻撃をつなげ、前半15分の新加入・松本のヘディングシュート、17分の田村から岡田優へのクロス、40分には生駒、41分には下川がセカンドボールをシュートするなど、得点には至らなかったが良い形の攻撃は何度も見られた。フリアン監督も「改善が必要」としていた守備面に対する中田新監督の対応が期待される。
次節は8日、ホームのロートフィールド奈良でカターレ富山と対戦する。(岩本)
【次節】
カターレ富山
◆第27節◆
9月8日18時
ロートフィールド奈良