奈良県宇陀市長選 現職を追う元職と新人 5月12日に投開票
任期満了に伴う奈良県宇陀市長選挙と、同日選で実施される市議会議員選挙(定数12)はあす12日投票が行われ、即日開票される。市長選は現職の金剛一智氏(67)=無所属=を、前市長の高見省次氏(64)=無所属=、新人の松下幸治氏(51)=諸派=が追う展開。それぞれが最後の訴えに総力を挙げている。
4年間の市政評価を問う市長選。人口減少や高齢化が進む市の課題解決に向け、各候補はそれぞれの政策を訴える。
金剛氏は、市内全域で街宣やスポット演説を重ね、1期目の実績をアピール。夕方からは榛原の団地を桃太郎で練り歩く。「わざわざ家から出てきて声援を受けることも多い」(陣営幹部)など好反応を得ているものの、気を緩めることなく支持を呼びかける。
高見氏は地元である榛原の住宅団地に加え、市内全域を選挙カーで回り支持を訴えている。「情勢は厳しいが、市政の現状を伝えたい」(陣営幹部)。「既得権益を守る政治と決別し、行財政改革で生み出した財源を未来への投資に」と掲げ、住民が安心して暮らせるまちづくりを主張する。
また、松下氏は、市の財政状況を立て直すために人口、財政規模に見合った政策の推進を訴える。市内を選挙カーで回りながら若きリーダーへの世代交代を呼びかける。現市長と前市長に対する批判票をどれだけ集められるか注目される。
市議選は8人超過の大激戦
一方の市議選では、前職10人、新人9人、元職1人の計20人が立候補。8人超過の激戦となっている。
候補者の性別は男性15人、女性5人。政党別では自民党1人、公明党1人、日本維新の会1人、共産党1人、諸派1人、無所属15人。地域別では大宇陀3人、菟田野3人、榛原11人、室生3人で、市人口の4分の1を占める榛原地域の団地からは高萩台3人、天満台2人が立つ。
同じく8人超過となった前回は、新型コロナウイルスの影響による緊急事態宣言の中、投票率は過去最低の65・36%。最後の1議席を得票数が659票で並んだ2人が争い、くじ引きで当選者が決まる厳しい戦いを繰り広げた。市長選とのダブル選挙となる今回について、市選管事務局は70%を超える投票率を想定。当落線上の戦いは、前回同様に激しくなりそうだ。
4日現在の選挙人名簿登録者数は2万4111人(男1万1468人、女1万2643人)。