「忘れてはならない日」冥福祈る鐘の音響く 楓ちゃん事件19年、富雄北小でいのちの集会
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2004年、下校途中の奈良市立富雄北小学校1年の有山楓ちゃん=当時(7)=が連れ去られ、殺害された事件から17日で19年を迎えた。同校で命の大切さを伝える「いのちの集会」が開かれた。楓ちゃんを思い、毎年実施。体育館に集まった1〜6年の児童約400人を代表して、6年生の女児が「楓さんが力強く生きていた7年間を忘れない。楓さんの思いを語り継いでいく」と誓った。
集会では楓ちゃんの冥福を祈って参加者全員で黙とう。事件当時の校長が遺族に贈った鐘が、楓ちゃんが亡くなった年齢にあわせて7回鳴らされた。
当時、同校で6年生の担任教諭だった後藤誠司校長(60)は「悲しいけれど、いつまでも忘れてはならない日だ」と振り返りながら、「人を傷つける人にも、傷つけられる人にもなってほしくない。優しい気持ちで人に接してください」と児童らに呼びかけた。
同事件では小林薫元死刑囚の死刑が2013年に執行されている。
集会後、後藤校長や見守りボランティア、地域住民、PTA関係者ら約30人が意見交換。この事件を契機に全国的に広まった子どもの見守り活動について討論し、高齢化や児童数の減少などで岐路に立たされている現状を探った。
参加者からは「見守り活動の負担を軽くする策を考えるべき」「地域の高齢化で見守りをする人が減っている」「時代に合わせた活動にしてみては」など活発な意見が交わされた。
意見交換後、報道各社の取材に対し、後藤校長は「絶対に児童一人で登下校させない」と強調しながらも「地域の高齢化もある上に、保護者の負担は重い。形を変えなければいけないかもしれない」と話していた。