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大きくて濃厚 奈良県御杖村産イチゴ 農業法人が大規模栽培に挑戦

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児童にイチゴの摘み方を教える中谷さん(左)=6日、御杖村菅野の倭姫

〈首都圏の需要を見込み〉

 

 奈良県御杖村菅野の農業法人「倭姫(やまとひめ)」(中谷徳人代表)が、村内では珍しいイチゴの大規模栽培に取り組んでいる。同村出身で東京のビルメンテナンス会社で役員を務める中谷代表(58)が、過疎化が進む村の活性化に役立ちたいと、東京で流通量の少ない県産イチゴに着目、村おこしにつなげようと意気込んでいる。

 

 

〈2品種2200株栽培〉

 

 同村は冬の気温が氷点下の日も多いため、イチゴ栽培に否定的な声もあったが、首都圏での将来的な需要拡大を見込み、挑戦を決めた。

 

 イチゴ作りは未経験のため、現在も農業研修を受けながら悪戦苦闘。村の農家や自営業者のメンバーとともに、昼夜の温度管理を徹底した2棟のビニールハウスで「古都華」と「あすかルビー」の2品種2200株を栽培している。

 

 

〈地元の児童ら収穫体験〉

 

 1月には農業法人として会社を設立。今春の初出荷を前に村民に広く知ってもらおうと、今月6日、村立御杖小学校(巽憲文校長)の全校児童19人を招いた収穫体験を行った。5センチほどに実った古都華をカップ容器に摘んだ6年生の張間智貴君(12)は「村でイチゴができるのはすごい。名産になればうれしい」、同じく小坂さくらさん(12)は「赤くて大きく、味も濃厚。またここでイチゴ狩りがしたい」と笑顔で話した。

 

 東京との往復が続く中、半月以上を同村で過ごすという中谷代表。収穫量の拡大や人手不足といった今後の課題はあるものの、「県産イチゴの全国的なPRに村から貢献できれば。まずは東京の取引先などで販路をつくりたい。将来的には村の雇用創出や産業活性化にもつなげたい」と夢を膨らませている。

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