奈良県広陵町営住宅問題で町長陳謝、法的措置も検討
奈良県広陵町の6月定例議会は8日開会、町内で建設会社を経営する男性(73)が町営住宅を取り壊して自宅を建築した問題について、山村吉由町長が「町営住宅を巡る問題で心配をかけ、対応が不十分だったことをおわびする」と陳謝した。本会議後の全員協議会では、この問題のほか、男性が経営する建設会社が町の公共工事を受注していることについても議員が追及、町は事実関係を掌握し、法的措置を含めた対応を検討することを明らかにした。
山村町長も出席した全員協議会では、吉村裕之議長が「奈良新聞に報道された町営住宅の問題について話し合いたい」とあいさつ。山村町長が「(町営住宅の問題について)対応が不適切であったことは申し訳ない」と改めて陳謝し、議員らの意見を求めた。
松井宏之副町長は「古い話でもあり、聞き取り調査を進め、法的措置など弁護士に相談している」と対応状況を説明、担当者がこの日までの経過を説明した。
議員からは「町として怠慢だった。議員としても反省している。住民、納税者が理解し納得できる処理をすべきだ」と法的対応を求める意見や「当該の会社が町事業の入札に参加し、落札しているのもおかしい。辞退してもらいたい」など、厳しい意見が相次いだ。
これに対し町側は、実態を詳しく調査し、法に則って対応するとした。男性の会社が町の公共工事の指定業者であることも多くの議員が問題視し、これについても「検討していく」とした。
6月議会には男性の会社を含むJV(共同企業体)が先月落札した「広瀬川調整池整備工事」の請負契約締結案も上程されている。全員協議会に続いて開かれた議員懇談会では、町が男性の会社の入札資格に問題はないとする一方、議員から「住民に理解されるのか」「辞退を求めるべき」などの意見があり、「住民目線で議会の意思を決定する」との方向性を確認した。
同議案は16日に総務建設委員会で議題とされ。21日の本会議で採決される予定。