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内戦状態のアメリカを描いた映画「シビル…

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 内戦状態のアメリカを描いた映画「シビル・ウォー アメリカ最後の日」が県内でも公開されている。連邦政府から19州が離脱し、テキサスとカリフォルニアの「西部勢力」と政府軍が激しい武力衝突する内容だ。

 

 突拍子もない話にも思えるが、2021年にはトランプ大統領(当時)の支持者による議場乱入事件が発生。現実にも政治的分極化による社会の分断が深刻化している。

 

 ただ、映画では内戦の原因や戦況などは詳しく語られない。大統領の単独インタビューを狙い首都ワシントンに向かう記者たちの目線で描かれる。

 

 水を求める市民へのテロや敵が誰かも分からずに撃ち合う民兵―。極限状態の中で人々は狂気に走る。

 

 特に正体不明の武装兵が「お前は、どの種類のアメリカ人だ」と問い、アジア系記者を撃ち殺す場面が恐ろしい。人種差別や思想信条の対立、貧富の格差などのアメリカ社会の病巣の象徴が、この武装兵だといえるだろう。

 

 アメリカに限らず、世界で極端な思想の政治勢力の台頭が目立つ。異なった者を受け入れない分断の先には、社会の崩壊しかない。(法)

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