21歳の若者の読書量が、その小学生時よ…
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21歳の若者の読書量が、その小学生時より圧倒的に少ないとは。びっくりするような結果が文部科学省の発表した2022年の「21世紀出生児縦断調査」で出た。
「この1カ月に読んだ紙の書籍(本)の数」に「0冊」が62・3%。この世代が10歳だった11年の調査で「1カ月に0冊」は10・3%しかいなかった。
交流サイト(SNS)の普及や動画投稿サイトの普及が一因と指摘されている。電車内を見渡してもスマホを見ている人がほとんどであり、本、新聞派は僅少。
確かにスマホは便利であり、SNSもコミュニケーション手段として有効だ。ただ、最近のX(旧ツイッター)の投稿を読んでみると、短絡的な思考による意見が目立つ。
「なぜか」「どうしてこうなったのか」「どのようにすればいいのか」。本を読まなくてもすぐに生活に困るわけではないが、物事を深く追求するためには読書は欠かせない。
名文家で知られた先輩記者は「過去の貯金(豊富な読書量)で書くことができる」と話していた。読書は人生を豊かにする目に見えない大きな貯金である。(栄)