台風10号、9月2日にかけ奈良県に最接近か 線状降水帯発生の恐れも
【イベントや寺院拝観中止相次ぐ】
奈良地方気象台は30日、台風10号に関する説明会(オンライン)を開いた。台風は31日午後~9月2日ごろにかけて県内に最も接近する見込み。動きが遅いため、影響が長引く恐れがあるとしている。
同気象台によると、県内では、30日夜~31日午前中にかけて線状降水帯が発生して大雨災害発生の危険度が急激に高まる可能性があるという。
台風周辺の暖かく湿った空気が流れ込むため、大気の状態が不安定となり、局地的に雷を伴った非常に激しい雨が降り、南部を中心に降水量が多くなる見込み。9月2日ごろにかけて警報級の大雨となる可能性があるとしている。
いずれも多いところで、1時間降水量は31日が北部40ミリ、南部50ミリ。30日正午~31日正午までの24時間降水量は、北部150ミリ、南部300ミリ、31日正午~9月1日正午が北部100ミリ、南部200ミリ、9月1日正午~2日正午が北部150ミリ、南部150ミリとなっている。
同気象台は、土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水に十分注意するとともに、強風や竜巻などの激しい突風や落雷などに注意が必要としている。
台風接近に伴い、県内ではイベントの中止が相次いでいる。県内の中学生が日ごろの思い、夢や希望、同年代や大人へのメッセージなどを発表する「少年の主張」奈良県大会は9月1日に葛城市で開催予定だったが8日に延期する。
木津川市のイオンモール高の原で開催する「土砂災害パネル展」(31日から9月6日)は、31日に土砂災害について学ぶ模型展示とVR(バーチャルリアリティー)体験を予定していたが中止を決定。展示は予定通り実施する。
県は橿原市曲川町7丁目のイオンモール橿原で31日に開催予定の「子育ての仕事就職フェア2024」を中止する。
また、奈良市登大路町の興福寺は31日、参拝者と職員の安全確保のため、国宝館と中金堂の拝観を中止。9月1日についても、状況に応じて拝観中止や拝観時間の変更を行うという。