橿原・不動産売買業のハウジングシカヤ倒産 負債は8億円
帝国データバンク奈良支店は16日までに、不動産売買業の「ハウジングシカヤ」(奈良県橿原市葛本町)が10月26日に奈良地裁葛城支部から破産手続き開始決定を受けたと発表した。負債は約8億円。
同支店によると、同社は1990年7月創業。一般顧客向けの分譲住宅の販売を主体とし、2005年9月期には年売上高約19億4600万円を計上していた。
しかし、06年10月ごろから着工した大型プロジェクトの立地条件が悪く、事業計画に大きな狂いが生じたことで、経営状況が一変。大手不動産業者が近隣に大規模分譲を開始するなど、さらに市場環境が悪化し、09年9月期の年売上高は約4億3400万円にまで落ち込み、赤字に転落した。
その後も従業員のリストラを断行するなど、経営の立て直しを図っていたが、販売状況は好転せず、厳しい経営を余儀なくされていた。近年は事業規模を縮小し、不動産の管理収入などでしのいでいたが、プロジェクトに伴う債務の返済に追われ、資金繰りが急速に悪化。業績回復の見通しが立たなくなり、事業継続を断念した。