いつまで「戦後」にこだわっているのか。…
いつまで「戦後」にこだわっているのか。そんなものに意味があるのか。でも、何か呪縛のようなものが、投げ捨てられないこだわりとしてある。
NHKの朝ドラ『虎に翼』に出てきた「総力戦研究所」に注目。元東京都知事で参院議員の猪瀬直樹さんの著書『昭和16年夏の敗戦』でも詳しく描かれている。
以前にこの本を読んで初めて知ったことだった。当時30代のエリートたちが「机上演習」「模擬内閣」で出した結論は、日米戦えば「日本必敗」だった。
でも実際の歴史は、日米は開戦して日本は敗戦国になった。テレビドラマでは、総力戦研究所の一員だった「星航一」が秘められていた苦しい思いを打ち明けた。
ドラマを視聴していて、少し別の感想を抱いた。当時日本は既に、実質的に戦争状態に入っていた。「支那事変」と言ったが、中身は日中戦争だった。
国民の意志は「大東亜戦争」へと傾いていたと思う。昭和天皇や政府、軍部などを越えてだ。国民の戦争だけに敗戦の痛手は大きかった。だから国民は「押しつけ憲法」であろうと、沈黙のうちに第9条を認めた。(北)