きょう21日は「10・21国際反戦デー…
きょう21日は「10・21国際反戦デー」。1966年に労働団体が世界に向けてベトナム戦争反対を呼びかけたのがきっかけだった。
「国際」と付いているが、わが国だけの記念日である。当時に青春期を過ごした世代の記憶に深く刻まれており、最近の国際情勢を目にするにつけ、この記念日の意義を思う。
以前にも本欄で触れたが、作家で国会議員や東京都知事も務めた石原慎太郎さんが政治の世界に飛び込んだのは、ベトナム戦争の取材からだった。
1966年暮れから翌年1月にかけて20日ほどの短期間だが、米軍の最前線の基地にも入り、衝撃的な体験をする。著書『祖国のための白書』でも披露している。
さて私たちは、ロシアのウクライナ侵攻、アルメニアとアゼルバイジャンのナゴルノ・カラバフ紛争、イスラエルとイスラム組織ハマスの大規模戦闘などを知る。
石原さんはベトナム戦争について「他人の戦争を覗(のぞ)くという異常な体験」と言った。現在の私たちの多くはかつての石原さんほど戦争の近くに行けない(行かない)。それでも、遠い他国から何ができるか。(北)