歴史文化

大和古寺・お参り日記【44】 - 白毫寺(下)

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強い眼力で参拝者を圧倒する閻魔王坐像

 白毫寺には珍しい閻魔(えんま)王の像が伝わっている。閻魔王は「十王経」に登場する5番目の裁判官。十王経によると、10人の王によって生前の罪が裁かれるという。恐ろしい地獄の裁判所の話だ。

 

 かつては庫裏(くり)の場所に閻魔堂があったというが、現在は1983(昭和58)年に建てられた宝蔵に閻魔王坐像(国重要文化財)が安置されている。鎌倉時代の作で、高さは118センチもある。

 

 初めて目にした閻魔さまは想像していたよりはるかに大きく大迫力。強い眼力でにらまれると、全てを見透かされているようで心底恐怖を感じた。前には小豆を入れたお米など特別な供物がささげられている。うそをついたら舌を抜かれるかも、と考えながら手を合わせた。

 

 脇侍の司録(しろく)・司命(しみょう)も左右に控えていて、情けないことに、後ろめたいことがなくても長時間対峙(たいじ)するのは難しかった。「怒りの顔は悪いことをするな、地獄に行くなというメッセージ。自分を戒めてくれる存在です」と宮崎芳泰住職。

 

 脇侍の司録。厳しい顔で控える
長時間対峙していられないほど迫力がある

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