原爆投下から77年を迎えた広島。その恐…
原爆投下から77年を迎えた広島。その恐ろしさを伝える原爆ドームに隣接した「おりづるタワー」で今、一体の仏像が安置されている。「広島大仏」と呼ばれる高さ約4メートルの大仏だ。
広島大仏は1950(昭和25)年に原爆ドーム近くの寺に迎えられ、戦争の犠牲者を供養した。迎え入れる際には同寺までパレードが開かれ、手厚い歓迎を受けたという。
その後、一時は所在不明となったが、約10年前、安堵町の極楽寺の阿弥陀如来坐像が広島大仏であることが判明。今年7月、奈良と広島の関係者の努力により67年ぶりの「里帰り」が実現した。
大仏の目には、戦後間もない焼け野原から復興を遂げた広島の街は、どのように映ったのだろう。先日、広島へ「大仏さま」に会いに行った。
会場は市内を一望する観光施設で、仏像は場違いな印象。それでも、平和な時代を満喫する親子連れを見つめる大仏の表情は、安堵で参拝した時よりも明るく見えた。
10日には約70年前のパレードを模して、大仏とともに約200人が市内を練り歩く。その後、大仏は第2のふるさとの安堵に戻る。(法)