「栄枯盛衰は世の習い」「奢れる人も久し…
「栄枯盛衰は世の習い」「奢れる人も久しからず」…いろいろな慣用句が頭に浮かんだ。衆院選の全議席が決まった後の感想だ。
自民党は対応を誤った。党所属の一部議員の裏金問題が発覚した時に「そのうち国民は忘れてしまうだろう。ここは一つ、静かに“嵐”が過ぎ去るのを待つことにしよう」―てなことを考えたセンセイ方も多かったのだろう。
所得格差がどんどん拡大し、国民全体にさまざまな「不公平感」が広がっていたことを、彼ら彼女らは、ご存じなかったようだ。政治家がよく使う「国民に寄り添う」という言葉ほど、空虚で心がこもらない言い回しはない。
石破首相が早期解散を選択したことも国民の怒りを買った。事前の話と違う展開は“裏切り”に見えた。
投票所入場券も、選挙公報も、届いたのは水曜日だった。「入場券がなくても、期日前投票は可能」と言われても、何か落ち着かず気が進まなかった。
今後、裏金問題にどう決着をつけるのか。国民の目はさらに厳しくなっている。「政治とカネ」の問題の根は深いだけに、首相の手腕が、これから問われる。(恵)