事実上、次の首相を決める自民党総裁選は石破茂元幹事長が決選投票の末、高市早苗経済安全保障担当相を下して当選。10月1日の石破内閣発足に向け、党役員・閣僚人事が始まった。

　「県出身者初の首相」の夢が破れた高市氏は、党総務会長起用の打診を固辞。次を見据えて石破氏と距離を置く方が得策と判断したのだろう。今後の高市氏の動向が注目される。

　次の焦点は衆院解散総選挙が、いつになるかだ。石破氏は10月中の解散の意向を固めたとされ、「10月15日公示、27日投開票」の日程が有力だ。

　与党のトップが変わった以上、国民の審判を受けるべきだが、判断材料を示すことが先決だ。そのために石破氏は臨時国会での党首討論実施を検討しているが、それだけで良いのか。

　記録的豪雨に見舞われた石川県能登地方の復旧復興支援に加え、裏金や世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の問題など課題は山積。予算委員会を開き野党からの質問を受けて、解決への方針を示すべきではないか。

　解散を決めるのは首相。その判断に党利党略や自身の都合を優先してはならない。(法)