平安時代にも毒キノコを食べて命を落とす…
平安時代にも毒キノコを食べて命を落とす人がいたらしい。貴族の日記に記述があり、興福寺から届いた寺誌の寄稿で知った。雅敬(がきょう)という興福寺の僧と弟子が、キノコを食べて中毒死したという。
今昔物語集には亡くなった僧を哀れんだ藤原道長が葬儀に多額の費用を援助し、それを知った貧しい僧が、同じキノコを山のように食べた説話が出てくる。
いくら食べても僧の体に変化はなく、食した訳を尋ねる道長に「自分も葬儀費用を賜りたいと思いましたが、死ねないようです」と答えてあきれさせたという。
マツタケをはじめ、山のキノコは秋の味覚の代表格。厚生労働省のまとめによると、毒キノコによる食中毒患者も9月から10月にかけてが最も多い。
さすがに食べる人はいないだろうが、触るだけで炎症を起こす猛毒のカエンタケは、若草山や生駒山麓で確認されたことがあり、県が注意を呼びかけている。
命を守るには怪しいものは食べないこと。自民党総裁選では「毒まんじゅう」が流行語になったこともあったが、候補乱立の今回はどうなのだろう。(増)