ももしき、広渡社長ーコロナに立ち向かう(2)

近鉄奈良駅前から南にのびる東向商店街。すき焼き店「ももしき」(奈良市東向中町)は、コロナ禍による来店客の減少を補うため、通信販売やテークアウトに力を入れている。
15年ほど前に別の名称で居酒屋としてオープンした。地元客の宴会利用が減り始めたこともあり、数年前にインバウンド(訪日外国人客)向けにメニューを刷新。外国人が好むステーキ風の牛なべを提供することにした。
外国人客から好評を博していたところに、コロナ禍が発生。インバウンドの動きは完全に止まり、昨年2月半ばごろからその影響が出始めた。
店を運営する「風神」の広渡史朗社長(48)は「インバウンドは売上単価はいいが、コロナのようなショックがあると一気になくなってしまう。リスクも大きい」と、インバウンドに期待した経営の難しさを語る。
緊急事態宣言が全国に拡大された昨年4月に臨時休業を決定。同時に始めたのが、すき焼きセットの通信販売とすき焼き弁当のテークアウトだ。すき焼きセットは店頭でも販売している。
肉は大和牛を使用し、野菜や玉子などの食材もすべて県内産。味付けも日本人の口に合うようにだしをきかせるなどアレンジした。
すき焼きセットの通信販売の売れ行きは好調。すき焼き弁当のテークアウトも地元住民から人気を集めているという。
昨年7月に店を再開するタイミングで居酒屋からすき焼き店に業態変更。名称も「ももしき」に変更した。
コロナ禍の影響は今も続き、店全体の売上はコロナ前の7割程度にとどまっている。広渡社長は「通信販売とテークアウトが来店客の減少を補ってくれている」と話し、両者の売上補填(ほてん)効果を指摘。今後、通信販売のメニューを増やしていく考えだ。
広渡社長は「コロナが収束して、またたくさんの人が奈良に来てくれたら」と期待。「(すべて県内産の食材を使った)オール奈良のすき焼きをリーズナブルな価格で提供していきたい」と語った。