赤ちゃん鹿見守る「母子鹿エリア」を一般公開 奈良公園の鹿苑(ろくえん)で7月14日まで
鹿の保護団体「奈良の鹿愛護会」は、奈良市春日野町の鹿苑で今年生まれた子鹿が母鹿と過ごす「母子鹿収容エリア」を7月14日まで一般公開。多くの観光客や校外学習の学生らが訪れている。
今年生まれたばかりの子鹿たち=奈良市春日野町の鹿苑にて
ドラム缶の囲いの中で涼む子鹿=同
例年開催している鹿苑内の角きり場を使った「子鹿公開 赤ちゃん鹿大集合」が改修工事で中止となったため、その代替公開としての実施。母子鹿の収容エリアは昨年改修工事が終わった新しいエリアで、母鹿と過ごす子鹿の様子を柵越しに見学できる。見学路では鹿にまつわるクイズの設置や、「鹿サポーターズクラブ」による子鹿の特徴を示した展示物、写真の展示も行う。
愛護会は観光客とのトラブルを避けるため、出産シーズンを迎えた妊娠鹿を鹿苑に保護し、苑内で出産させている。6月1日の一般公開から新たに5頭の赤ちゃん鹿が誕生し、6月5日現在、苑内で保護している母子鹿は母鹿87頭、子鹿66頭。
奈良市内から夫や孫と一緒に鹿苑を訪れていた女性は、「夫が愛護会の会員なので、今年も赤ちゃん鹿の様子を見に来た。みんな健やかに育ってほしい。鹿クイズでは孫と一緒に楽しく知識を深めることができた」。
母子鹿の見学後、クイズを楽しむ家族連れ=同
愛護会の山﨑伸幸事務局長は「今年は例年よりやや早めの5月中に出産が続いた。保護中の鹿たちを徐々に奈良公園内に返す7月半ばまで鹿苑でゆっくり過ごしてもらい、母鹿も体力を回復してほしい」と話している。
公開時間は午前10時~午後4時。見学は無料だが、1人100円ほどの鹿苑協力金を任意で募っている。土・日曜は「鹿サポーターズクラブ」による物品販売も行う(荒天時は除く)。問い合わせは同会、電話0742(22)2388。