「秋のクロワッサン」。コーヒーとクロワッサンをお得に味わえるモーニングセット(9時から11時)も選べる。(店内・テイクアウト460円・店内モーニングセット880円)。

 

 

秋を感じる新メニュー　9月1日から提供開始

　奈良市西御門町の小西さくら通り商店街に店舗を構える「ROKUMEI COFFEE CO.NARA(ロクメイコーヒー奈良本店)」は、9月1日から秋に向けた新メニューの提供を開始した。

 

明るく、広々とした店内。イートインスペースは40席ある。

 

 

新たなブレンドは優しい酸味と奥行きのある風味

鹿のパッケージに詰められ店頭に並ぶ「かげろうブレンド」。

 

 

　新たな月替わりの季節のブレンド「かげろうブレンド」(100g 1080円・250g 2160円／店内・テイクアウトドリンク620円)は、奈良県川上村の「蜻蛉(せいれい) の滝」に着想を得た、秋の入口をイメージした味わい。温かいときは、みかんのような柑橘の風味、冷めてくるとアーモンドのような風味とコクを感じられる味わいが特徴。ホットでもアイスでも楽しめる（奈良店ではホットのみ提供）。深まる秋に合わせて、続く季節のブレンドも準備中とのこと。

 

コーヒー豆は店頭で挽いてもらうことも可能。「1か月以内で飲み切るのがおすすめ。冷凍庫で保存すると4か月程度はおいしく楽しんで頂ける」と、スタッフの樽角佐苗さん(19)。

 

 

フードは食欲の秋にぴったりのボリューム

　またフードメニューにも同日から新作が登場。「秋のクロワッサン」は甘辛く味付けした秋茄子に、糸唐辛子でほのかにアクセントをきかせた商品。ミンチも入って食べ応えのある食事系クロワッサンとなっている。

 

新作の「秋のクロワッサン」

 

 

　朝から同店を訪れていた粕井健次さん(37)は「もともとクロワッサンがおいしいことは知っていた。今回のナスとクロワッサンの意外な組み合わせは想像以上のおいしさで驚いた。人にも勧めたい味」と話した。

 

　クロワッサンは奈良店限定のフードメニューで、店内で生地から手作りし毎日焼きたてを提供している。同店責任者の平栗萌子さん(29)は「どのコーヒーにもマッチするよう、奈良県産の小麦粉や米粉、国産の天然酵母にバターなど素材選びからこだわった。素材本来の風味や優しい甘さが活きるよう味を追及している。ぜひコーヒーとのペアリングを楽しんで」と語った。

 

外はサクッ、内側はもっちり。焼き上がりの昼頃には店内が良い香りで満たされるという。（ROKUMEI COFFEE CO.NARA提供）

 

 

48年経っても変わらないこと

　同店のコーヒーの根底にあるのは「生産者に還元される仕組み」。優れた品質の生豆を仕入れて自家焙煎することで、甘くてクリーンな味わいのスペシャルティコーヒーを消費者に提供。その結果生産者が豊かになっていくというサイクルを理想に掲げている。

 

　先代が1974年にこの場所で始めた喫茶店がルーツという同店だが、昔から変わらないのは、コーヒーを大切にしてきたこと、地元の方々に支えられてきたことだという。「これからも大切なことは守りながら、昔から市井の皆様に愛されてきた奈良の鹿のように、皆様に長く愛される店でありたい」と語る。

 

 

定休日をやめ、お客様により身近に

　今年8月からは、これまで定休日だった火曜も営業することに。平栗さんは「この春に現店舗で3周年を迎え、人員や体制が整ったことで実現できた。コーヒーを通じて心豊かな毎日を皆様にお届けしたい。よりお客様に身近で、気軽に来て頂ける場になれば」と話した。

 

鹿ののれんが迎えるロクメイコーヒー奈良本店。鹿が鳴いて仲間を呼び合い、楽しそうによもぎを食む様子から、店名にも人の集う場所でありたいという願いが込められている。（同）

 

 

※価格はいずれも税込み