師走まで1週間。何かと気ぜわしくなってきた。来年の手帳やカレンダーが書店などに並んでいる。「おせち」の予約販売も活発だ。

　テレビで「11月中に予約すると1万円引き」などと宣伝しているのを見ると、「いったい原価はいくらなんだろう」と疑ってしまう。物価高の折、割引はありがたいけれど。

　40年ほど前になるが、1月1日に日直で会社出勤となった。ところが、周囲の飲食店が全て正月休みで食事する所がなく、ひもじい思いで街をさまよった。「おせち」が本当に恋しかった。

　今は1日から開いている店があるし、コンビニもあるので「難民」になることはないが、「おせち」をいただかないと正月気分になれない人は多いのではないか。

　手作りの家庭の味はもちろん、高級料亭の豪華版から独り暮らし用まで多様な「おせち」があり、それぞれのニーズに合わせて選べる楽しさがある。

　もっとも、体調や気分によって味覚も変わる。おいしい「おせち」を味わうことのできる充実した新年を迎えるため、年末までラストスパートしたいものだ。(栄)