日中もひんやりとしてきた。屋内のみならず戸外のお気に入りの場所で読書に浸れる季節でもある。

　秋の読書推進月間中だが、近年こうした時期、若年層を中心とする読書離れが危機感を持って語られる。とはいえ、まずは活字好きが読書関連の催事で盛り上がり、あまり読書をしない人々に「なんだ、なんだ」と思わせるのもいいのではないか。

　9、10の両日には、奈良市の県立図書情報館で「ブックマーケット+しおりのマーケット」が開かれる。県内外の延べ約50の書店、出版社と併せ、飲食や雑貨の同約40店が出店する。

　初夏にも同様の催しがあり、こだわりの品ぞろえのブースが並んだ。店主らと対話をしたり、思い入れを聞いたり。書籍探しだけでない豊かな時間を過ごせた。

　経済的に厳しい家庭や入院中、被災した子どもらにクリスマス、誕生日に本を届ける「ブックサンタ」の寄付本受け付けも県内外の書店で始まった。頭を悩ませ本を選ぶのも読書の魅力を感じるひとときだ。

　装丁、挿絵、ブックカバーなど本の構成要素はいろいろ。活字以外から親しむのもすてきだ。(智)