奈良県ゆかりの芸術家2人の訃報が相次い…
奈良県ゆかりの芸術家2人の訃報が相次いだ。一人は花鳥画の第一人者で日本画家の上村淳之さん。もう一人は「漂流教室」や「まことちゃん」などで知られる漫画家の楳図かずおさんだ。
上村さんは奈良市にアトリエを構えて作品を制作。楳図さんは少年から青年期を五條市で過ごした。また、上村さんには記事審議委員を務めていただき、楳図さんも前身の「大和タイムス」で連載するなど、いずれも本紙とも縁がある方だった。
伝統的な絵画様式の日本画とサブカルチャー的な漫画という分野の違いはあるが、いずれも海外にも知られた日本文化の先駆者だった。
残念ながら楳図さんを取材する機会はなかった。しかし、上村さんとは一度だけ奈良市の自宅でお話を聞いたことがある。
上村さんは自宅の敷地で多くの鳥を飼っていた。もちろん、絵の参考にするためだが、「自然の姿からは離れられない。写生しているうちに、自然の偉大さを教えられる」と上村さん。
楳図さんも多感な時期を過ごした五條の自然を愛したという。奈良の自然は2人の偉大な芸術家を育てた。(法)