大和平野のあちこちでは、大方の所で稲刈りが終わり、はざかけの周囲では、コスモスの花が揺れている。実りの秋にふさわしい美しい景色だ。

　一方、あれこれ考える暇もなく、一気に突入した衆院議員選挙は、あさって27日の投票日を前に、各陣営や関係者にとって最後の追い込みのときを迎えている。候補者の訴えもヒートアップ状態に。

　国会での政府答弁や政治家の常套(じょうとう)句に「きっちりと」がある。これを聞くたびに「ああ、今までいい加減だったんだな」と思ってしまう。

　今回の選挙の、争点の一つである裏金問題。自民党が本気で調査し、「きっちりと」説明し、けじめがつけられたと思う国民は、一体どれほどいるのだろうか。物価高や賃金格差などに悩む国民は、忘れてはいないようだ。

　本紙世論調査(22日付1面)の結果でも、それが示されていた。「争点は何ですか」という質問で、「経済対策」についで多かったのが「政治とカネ問題」だった。関心の高さがうかがえた。

　日本の針路を決める大切な一票、よく考えて投じたい。棄権なんてもったいない。(恵)