国原譜

「新聞は翌日になれば単なる古紙や」。約…

 「新聞は翌日になれば単なる古紙や」。約40年前の奈良新聞入社当時、先輩記者から聞いた言葉は今でも印象に残っている。速報性が命だった時代の新聞人だ。

 

 違和感があった。「紙面の大半は読み捨てられるかも知れないが、スクラップブックで保存される記事もあるじゃないか」。流れる川から採れた砂金のように。

 

 今のネット社会においては一層、速報性で新聞に勝ち目はない。ニュースの深堀り、正確性、記録性で、金(価値ある記事)の含有量を増やさなければ。

 

 全国の新聞から、そのような金を掘り出してくれているユニークな会社がある。切り抜き情報誌(定期購読)を発行しているニホン・ミック(大阪市)で、あす24日に創業55周年。

 

 当欄を含め各地方紙の1面コラムを選抜した「コラム歳時記」は、普段なかなか接することのない文章を読むことができ、筆者にとって「面白過ぎる教科書」になっている。

 

 学生から90歳代まで購読者は幅広く、人生に寄り添い、共に歩むかのように長年購読するファンが多いとか。ダイヤモンドを見つけてくれる人たちもいる。(栄)

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