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金曜時評

コロナと家庭ごみ 減らす意識持とう - 編集委員 辻 恵介

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 この夏休みは、「行動制限なし」とあって、3年ぶりの帰省や旅行などで各地はにぎわった。そうした人々の交流拡大に伴ってか、新型コロナウイルスの感染者数は、少し前までは全国各地で軒並み過去最多を記録。最近になって、ようやく下降気味となり、安堵している人々も多いことだろう。

 

 コロナとの“付き合い”も随分と長くなったが、時折、路上にマスクが落ちていることがある。とても気にはなるが、拾うほどの勇気はない。住宅地などのごみ置き場でも、管理が悪い所ではカラスにごみ袋がつつかれ、中身が散乱しているのを目にすることも少なくない。

 

 環境省のホームページでは「感染症対策のための家庭でのごみの捨て方」として、(1)ごみ袋は、しっかり縛って封をする(2)袋の空気を抜いて出す(3)生ごみは水切りをする(4)ごみの減量を心がける(5)自治体の分別・収集ルールを確認する―という、五つの心がけを呼びかけている。

 

 (1)と(2)は普段忘れられがちだが、感染対策うんぬんより前に、収集運搬に携わる自治体職員らの安全を確保するためにも、ぜひ実行したい。空気を抜かないと、かさばるし、収集作業中に袋が破裂する危険性もある。思いやりの心を大切にしたい。

 

 そして一番大事な取り組みは、ごみの減量。購入した食品は食べきる▽消費期限も考えて買いすぎない▽スーパーなどの売り場では、陳列棚の奥からではなく、手前の方から取る―などの努力が必要。そう言いつつも冷蔵庫の奥から時々、消費期限を大幅に過ぎた食品を発見することがあり、反省をしている。

 

 食品ロスを多く含む生ごみは、可燃ごみの約半分を占める、というデータもある。食べ残しをしない・させないで、ありがたく頂くこと、限りある食料資源を無駄にしないという意識が大切だ。

 

 気候変動による異常気象からの穀物類の不作、ロシアのウクライナ侵攻やコロナの感染拡大などの影響を受けて石油関連価格が高騰するなどして、2万品目を超える食料品の値上げが、家計を直撃中。そんな今だからこそ、ごみ減量を心がける生活に変えていくべきではないか。

 

 あらゆる物の値段が上がる今、輸入に頼りすぎて自給自足とは程遠い現状は、食料の安全保障の観点からも放置できない。「世の中は世界中とつながっている」ということを、今さらながら強く実感する秋になりそうだ。

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