安倍晋三元首相が銃撃され亡くなった。ま…
安倍晋三元首相が銃撃され亡くなった。まさか奈良でこのような凶行が発生するとは。普段あまり使わなくなった言葉である「蛮行」としか言い様がない。安倍元首相のめい福を祈る。
民主主義の根幹である選挙戦の真っ最中に起きた。民主主義への挑戦である。応援演説という衆人監視の中で、犯行の瞬間を聴衆が撮影した動画が国民にかつてない怒りと悲しみを与えている。
首相経験者ならSPが付くなど警備も厳重であったはず。しかし、選挙期間中はどうしても有権者と身近に接しなければならない。そこに「白昼の死角」があったのでは。
日本は銃規制が厳しく、治安はよいとされる。が、今回は手製の銃をバッグに隠し持っていたとみられ、そこにも死角が。警備態勢全体を再チェックする必要がある。
動機は何か。思想的、政治的な背景、共謀者の存在は。容疑者の取り調べで徹底解明が望まれる。
今年に入って、ロシアによるウクライナ侵攻、本事件と続き、第2次大戦前の暗い時代を連想させる出来事が国内外で相次いでいる。時計の針を逆回転させてはならない。(栄)