金曜時評
特殊詐欺を防ごう - 編集委員 山下 栄二
令和の時代になっても、主に高齢者を狙った特殊詐欺事件が後を絶たない。電話での「オレオレ詐欺」に加え、最近は手口も巧妙化、キャッシュカードをだましとられたり、電子マネー絡みの事件が増えてきている。本人はもとより、家族や周囲の人たちの注意が必要だ。
所帯主が60歳以上の世帯は、他の年齢階級に比べ大きな純貯蓄を有している。令和元年版高齢社会白書によると、60歳以上世帯の貯蓄額中央値は1639万円で、全所帯の中央値1074万円の約1・5倍。病気など「万一の備えのため」に貯蓄している人が多い。そういう「虎の子」の金をだましとる特殊詐欺は悪らつな犯罪といえる。
県警によると、今年7月中の特殊詐欺の被害件数は20件と、前年同月に比べ11件も増加している。今年1月から7月末までの件数は85件で、被害総額は約1億510万円。特に急増しているのがキャッシュカード手交型53件(前年比11件増)と電子マネー型18件(同13件増)だ。
キャッシュカード手交型とは、警官や公務員、銀行員などを装い、「あなたのカードが偽造されているので回収する」などといって、カードをだましとる手口。電子マネー型は、携帯電話などに「有料サイトの未納料金があるので支払いを。支払わないと裁判になる」などの連絡が入り、被害者は電子マネーを購入し、カードの番号を相手に伝えてしまう。
対策としては、まず「自分だけは大丈夫」という思い込みを捨てるのが必要だろう。キャッシュカード手交型や電子マネー型など特殊詐欺の口実を理解しておくのも大事だ。振り込む前に誰かに相談するよう心がけたい。これはやや高度だが、だまされたふりをして、すぐに警察に連絡するという方法がある。実際に8月22日、奈良市の男性(77)が警察に連絡し、金融庁職員を装った男子大学生が詐欺未遂容疑で現行犯逮捕される事件があった。
銀行の窓口では、大きな金額を振り込む高齢者に声をかけるのが定着してきた。10万円以上の電子マネーの購入を申し出た高齢の客を見て、詐欺の可能性が高いと警察を連絡し、被害を未然に防止したコンビニの店長や従業員が、所轄署で感謝状を贈られるのが最近は相次いでいる。
高齢者が孤立してしまうと特殊詐欺被害に遭う可能性が高い。人と人とのつながりで特殊詐欺を撲滅してゆきたいものだ。
所帯主が60歳以上の世帯は、他の年齢階級に比べ大きな純貯蓄を有している。令和元年版高齢社会白書によると、60歳以上世帯の貯蓄額中央値は1639万円で、全所帯の中央値1074万円の約1・5倍。病気など「万一の備えのため」に貯蓄している人が多い。そういう「虎の子」の金をだましとる特殊詐欺は悪らつな犯罪といえる。
県警によると、今年7月中の特殊詐欺の被害件数は20件と、前年同月に比べ11件も増加している。今年1月から7月末までの件数は85件で、被害総額は約1億510万円。特に急増しているのがキャッシュカード手交型53件(前年比11件増)と電子マネー型18件(同13件増)だ。
キャッシュカード手交型とは、警官や公務員、銀行員などを装い、「あなたのカードが偽造されているので回収する」などといって、カードをだましとる手口。電子マネー型は、携帯電話などに「有料サイトの未納料金があるので支払いを。支払わないと裁判になる」などの連絡が入り、被害者は電子マネーを購入し、カードの番号を相手に伝えてしまう。
対策としては、まず「自分だけは大丈夫」という思い込みを捨てるのが必要だろう。キャッシュカード手交型や電子マネー型など特殊詐欺の口実を理解しておくのも大事だ。振り込む前に誰かに相談するよう心がけたい。これはやや高度だが、だまされたふりをして、すぐに警察に連絡するという方法がある。実際に8月22日、奈良市の男性(77)が警察に連絡し、金融庁職員を装った男子大学生が詐欺未遂容疑で現行犯逮捕される事件があった。
銀行の窓口では、大きな金額を振り込む高齢者に声をかけるのが定着してきた。10万円以上の電子マネーの購入を申し出た高齢の客を見て、詐欺の可能性が高いと警察を連絡し、被害を未然に防止したコンビニの店長や従業員が、所轄署で感謝状を贈られるのが最近は相次いでいる。
高齢者が孤立してしまうと特殊詐欺被害に遭う可能性が高い。人と人とのつながりで特殊詐欺を撲滅してゆきたいものだ。