金曜時評

一本化を図るべき - 編集委員 山下 栄二

 21日の告示が目前に迫ってきた県知事選。これまでに出馬表明しているのは、4選を目指す現職の荒井正吾氏(74)▽医師で新人の川島実氏(44)▽前参議院議員で新人の前川清成氏(56)―の3氏。ただ新人候補の一本化が、いまだ流動的であり対決構図に波乱もありそうだ。

 知事選は3期12年の荒井県政を有権者がどう評価するのかが焦点となるのではないか。堅実な行政手腕とともに、アイデアマンとの評価がある荒井氏。全国的な知名度を得るようになった奈良マラソンを創設。ホテル誘致、国際会議場整備など観光施策に積極的な姿勢を見せる。大都市圏集中が進む中、県は人口減少が続き、経済基盤もぜい弱。根底には県活性化を図らねば未来に展望は開けないとの危機感があるのではないか。

 一方、「奈良公園のホテル建設は奈良の環境を破壊する」「知事は県民を見ないで東京を向いている」などと現県政を強く批判する勢力がある。これに推されるかたちで川島氏は昨年12月18日、ホテル建設反対とともに高校再編白紙化などを掲げ立候補を表明。続いて、前川氏が今年1月15日に出馬表明した。

 川島、前川両氏の主張に大きな違いはなく、このままでは選挙戦に突入すれば現職批判票が割れ、選挙戦略的に新人不利になるのは明らか。そのため、本紙の報道のように、川島、前川両氏の陣営が一本化の話し合いの場を持っているが、まとまっていない。実は川島氏、前川氏など反荒井県政の関係者間で事前に一本化についての“約束”があったといわれており、前川氏は「約束をほごにしたのは川島さん」と態度を硬化。振り上げたこぶしを降ろせないのだろうか、川島氏は「降りない」と断言している。悪くいえば内輪もめ、意地の張り合いともとれる。

 これに戸惑いを見せているのが共産党県委員会だ。当初は政策を同じくする川島氏を支援する意向を示してきたが、状況の変化によって支援を取り下げ、「一本化が成立すれば、残った候補者を応援したい」とする。前川氏出馬表明が県委員会にとって“サプライズ”であったのではないかと推測する向きもある。

 有権者とすれば、川島、前川両氏の政策上の違いが分かりにくく、なぜ一本化ならないのかが極めて不可解。一本化ならないのなら、その明確な理由を有権者に明らかにする必要があると考える。

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